nimi-title: ハムハムだいあり〜

March 2003


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MAR 29 2003 (Sat)

かりんは、プラスチックの巣箱を寝床にしている。
彼女はこの中を実に見事な寝床に作りあげる。
そして、その寝床をきれいに掃除されるとパニック状態になって、うろうろオロオロと我を失ってしまう。 だから、彼女の巣箱をお掃除するのにはいつもためらいがあって、極力いじくらないようにしている。

でも、だからといって、ずーっと放っておく訳にはゆかない。
そういえば最近かりんの巣箱は点検したっけ? と思いつつ、今日は久しぶりにかりんの巣箱を覗いてみた。
たまには、たまったウンチや汚れがひどい巣材を捨ててあげなければ。

あ、そんなに汚れてないやー。
よかった! と思いつつ、巣箱にまた戻すための、かりんの匂いがたっぷり染み付いたきれいな巣材をより分けて、残りの巣材を捨てようとふと見たら、何やらブキミな色の巣材が巣箱の隅に固まっている。
ん? 何だこりゃ?
何だか緑っぽく粉がふいたように変色しているぞ・・・。

ひ、ひぇ〜〜〜! カ、カ、カビ!
巣材が固まっていることは時々あるけど、カビてたことは初めてだ!
何てこった! あんた、ここをトイレにしてたな!
いつもおしっこは寝床の外でしなさいって言ってるじゃなぁ〜い!
けど、チビチビ脳みその持ち主さんにそんなことを要求しても仕方がない。
これはカンペキに飼い主の飼育不行き届きだ。
かりんちゃん、ゴメンねー。

すぐさま中身を全部捨てて、巣箱は洗剤できれいに洗ってアルコールを吹き付けて消毒した。
案の定、彼女は自分の匂いがほとんど消滅した巣箱に入ることを拒否し、トイレ&貯蔵庫の中に陣取っている・・・。

実はこのプラスチックの巣箱は冬限定。
洗えばまたキレイになって繰り返し使えるから便利なんだけど、気温が高い季節には通気性が悪くて熱気がこもりがちなのでティッシュ箱を使っている。
そろそろティッシュ箱に切り替えないとダメかしら?
ていうか、どうかかりんが病気になりませんように・・・。


かりんちゃんのお布団、どこ行っちゃったなのなのー? ありりん? いつの間にか戻ってるなのなのー。
巣箱がなくなって、でっかいごはんくわえたまま右往左往するかりん。
そして、かりんちゃんご愛用の黄色い巣箱。
飼い主が入れておく巣材に加えて、自分で新聞を上手にちぎって大量に持ち込み、彼女は実に見事な寝床を作り上げる。
巣箱の中のご紹介はまたいずれ・・・。

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MAR 27 2003 (Thu)

ね? かわいいでしょ〜?

誰かそこにいるのー? 何かおいしいものちょーだーい、なのなの!

かりんは、よく積み木のお家にスルスルとよじ登っては、こうやって遠くを眺めるようなしぐさをする。
この時の彼女はいつも動きがちょこまかと素早くて、なかなかカメラに収まってくれなかったのだけど、ついに撮影に成功したぜぃ!
Yeah!

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MAR 20, 2003 (Thu)

フローラル動物病院から1通の封書が届いた。
スタッフの方々の直筆の署名と、
じゃんが郎へのお悔やみの言葉が書いてあった。
さっそくじゃんが郎の遺骨の前に飾った。

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MAR 19, 2003 (Wed)

ハムたちのことは主人に任せて、飼い主は3日ほど家を空けていた。
昨夜は久しぶりにみんなの様子を見ることができた。

ララ。
飼い主のあの心配は何だったの? て言いたくなるくらいガンガンにお車をまわしていて、とてもお元気なのだった。
あーよかったよかった!

お次はじろ。
彼は最近おトイレの仕方が変わった。
今まではいつも、お家の隅っこの決まった2〜3ヶ所におしっこしていたのだけど、最近はお家じゅうのあらゆる場所でおしっこするようになった。

これはじゃんが郎が経てきた過程と同じ。
じゃんが郎は唯一おトイレを使いこなせる賢いコであったのだけど、いつの間にかトイレの段差が越えられなくなってしまって、お家の床の決まった場所でおトイレするようになっていた。 そして、それもいつの間にか変わって、いろんな場所でするようになったのだ。
年をとるとおトイレを決まった場所でしなくなるみたい。

けど、じゃんが郎にしてもじろにしても、ティッシュ箱の寝床の中では決しておしっこをしないからエライ!
ララ、レオくん、少しは見習ってほしいぞ。

さてさて、話題を戻して残りのコ。
てんてんは、飼い主が留守の間はさっぱりお車をまわさなかったらしい。
夜仕事から帰った主人に顔も見せなかったらしい。
だけど、飼い主が帰宅した夜はちゃーんと顔を見せてくれたし、飼い主が眠る傍でたくさんたくさんお車をまわしてくれた。
なーんかウレシイ!

かりんは特に変化はないようだった。
このコはララと違って、周りの雰囲気が微妙に変わってもあまり影響が出ないタイプみたい。
それって何か賢さが足りないっていう解釈しちゃうのだけど・・・?
ま、おおらかでいいけどね。

レオ、ぷちのことはまだあんまりちゃんと見てあげてないからよく分からない。
主人によると、レオは最近なんだか肥満ぎみらしい。
おー。 それは珍しいぞー。
今日はお掃除のついでに久しぶりにいっぱい遊んであげよーっと!


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MAR 15, 2003 (Sat)

今日は主人と2人でフローラル動物病院に行った。
じゃんが郎が亡くなったことを報告して、いろいろお世話になったお礼の挨拶をするためだ。

近所のお花屋さんでカゴに入ったお花をアレンジしてもらい、持って行った。
普段は、もうじゃんが郎のことを思い出しても泣き出すようなことはなくなった。 だけど、病院に行くまでの道のりではじゃんが郎のことを思い出してはうるうるしっぱなしだった。 病院に挨拶する内容を頭の中で考えているうちに、ぐぐーっとこみあげてしまう。
こりゃダメだ、という感じだった。

病院に着いたら手の空いた看護婦さんがいたので、お花を渡してじゃんが郎のことを報告した。
看護婦さんはすぐに後ろの棚からカルテを取り出して、亡くなった日付などを記入してくださった。
神妙な面持ちではあったものの、事務的な処理をしている看護婦さんの姿を見て、こちらも気持ちが落ち着いて、一通りのお礼と挨拶を言うことができた。
看護婦さんはカルテをざっと見ながら「じゃんが郎ちゃん、頑張りましたよね。」と言ってくださった。

そこに院長先生が姿を見せた。
看護婦さんは無言でじゃんが郎のカルテを先生に見せた。
先生はハッとしたかと思うと、真剣な表情で私たち夫婦に向かって深々と頭を下げた。
今まで見たこともない先生の真剣な表情を見たとたん、急に涙があふれてきてしまった。
言葉が詰まってしまって、先生には「本当にいろいろありがとうございました。」と小さな声で言うのが精一杯だった。
先生は無言のまま、何度も何度も深々と頭を下げてくださった。


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MAR 14, 2003 (Fri)

今日のララは噛まなかった。
飼い主が差し出す手の匂いをかいだ後、すんなりと手に乗ってくれた。
朝も、夜も、おんなじララだった。 ちょっとホッとした。

ぴょんぴょんと跳ねて天を仰ぐようにこちらを見るのは昨日と一緒。
やはり何か言いたいことはあるようだった。
けど、相変わらずララの訴えは飼い主には届かなかった。
いろいろ試した。
ごはんやおやつをあげてみたり、お散歩コースを歩いてもらったりしたけど、ララはぴょんぴょんを止めなかった。
ララ、いったい何が言いたいの?

飼い主の手の上で、真っ黒なつぶらな瞳でこちらを見上げるララ。
そんな彼女のうなじはこつこつと骨ばっていた。 老化の始まり。
白くまさんのようにふかふかだった足も、かつてのじゃんが郎のようにほっそりとやせ細ってきた。
歩き方も変わってきたように見える。

これからララの老いを見守ってゆくことになるのかと思うと辛い。
9匹の子を産んでくれていつもシャンシャンと元気だったララが、これから老後を迎えるのかと思ったら、気持ちが沈んでしまった。


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MAR 13, 2003 (Thu)

夕方、ララがお車をまわしている気配があったので様子を見に行った。
彼女はホッペにごはんをパンパンに詰めたままお車をまわしていた。
飼い主の気配に気付くとお車から降りて、上を見上げるような素振りをしてぴょんぴょん跳ねた。
アガリクスを降りかけたはちみつを舐めさせた。
そして、お家の中に散らばっているごはんを片付けていたら、ララがその手にじゃれついてきた。
と、いきなり飼い主の右手中指に食らいついた! いたぁい!

いつもは何があってもオロオロわたわたするだけなのに、何で?
どうしたんだろ?
試しにもう一度、ララの前に左手を差し出して手の上に乗っかれるように促した。
初め指先に手をかけて匂いをかいだりしていたけれど、すぐに人差し指に噛み付いた。 今度はさっきより力強い。
やっぱりダメだ。

噛まれた指は2箇所とも出血したので、すぐさま石鹸で手を洗った。
そして、手を洗いながら考えていた。
先日の大フィーバー以来疲れているのかなぁ?
あの日をさかいにパッタリとお車をまわさなくなったし・・・。
それとも、そろそろお年で神経質になってきたのかなぁ?

彼女は相変わらず、何か言いたげな顔をこちらに向けてぴょんぴょん跳ねていた。
こんな時思う。 ハムたちがしゃべれたらいいのになぁー。

多少臆病だったとはいえ手乗りだったじろも、いつの間にか目の前に差し出された手にかぶりつくようになってしまったし、究極の手のりハムのララも、お年とともに警戒心が強くなるのかな。
けど、今日のことはたまたまで、またひとなつっこいコに戻ってくれるといいな。


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MAR 10, 2003 (Mon)

土曜日の大賑わいがうそのように静かな我が家。

みんなやさしくかわいがってくれたものの、いつもと違う雰囲気の中で長時間覗かれまくりというのは、やはりハムにはキツイ。
特に、何があっても絶対に噛み付かないララ、かりん、てんてんは、子どもたちに大人気だった。 お疲れさま、ありがとね。

陽気で能天気なかりんは、まだ宴モードを引きずっている模様。
今日もエキストラおやつにありつけるかも、と真昼間からぴょんぴょん跳ねまわっている。 昨夜もお車をガンガンまわしていた。
という訳で、かりんは先日の影響はなさそう。
てんてんも、お車はサボリぎみだけどいつもと変わらないご様子で特に問題なし。

一方、お年のせいもあってか最近少々デリケートなララは、幾分疲れ気味のご様子。
おハゲが再発しないか注意して見ておく必要がありそう。
最近あげ始めたアガリクスの他に、はちみつもあげておこうっと。
見た目にかわいくてまだ若々しいララだけど、もう1歳9ヶ月。
健康管理には充分気をつけなくっちゃね!


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MAR 8, 2003 (Sat)

今日は友人3家族が我が家に結集した。
総勢子ども5人、大人8人の大人数で、たいへん賑やかな1日となった。

子どもたちは、いつもはごあいさつ程度にハムをちょっと手に乗せて終わり、というパターンなのに、なぜか今日は大盛況。 みんなひっきりなしにハムルームを訪れていた。

我が家のハムハム軍団は、いつもと違う超ハイパーハイテンションにビビリまくっていたけど、おいしいゴハンにつられて子どもたちのかわいいお手々にのこのこ乗っかっていた。
(そのへんはやっぱりハム頭・・・。)


れれれ? ここはどこなのん? かりん、もっとゴハンほしいなのなのー。
ちいちゃなかわいい手に乗っかって、いつもより大きく見えるララとかりん。

いつも「ハムスターは子どものおもちゃじゃない!」と思っている飼い主には、初めはちょっぴり心配だったけど、みんながハムたちにやさしく接してくれる姿を見て、とても嬉しい気分だった。

ていうか、子どもたちの方が大人より聞きわけがよくてかしこかったかも。
「じろはお年で臆病になってるから噛みますよ。」と教えてあげれば、子どもたちはちゃんと見るだけに徹していた。
その一方で、思いっきり噛まれて涙目になっていた親・・・。

ところで、みんながいつものペースを崩されて、てんやわんやしてる中でたった1匹、ぷちくんだけはマイペース。

賑やかだったあいだじゅうはお布団から顔も出さずにぐっすりお休み。
そして、みんなが帰って静かになったころ、ぐったりお疲れの他のハムたちを尻目にカラカラと陽気にお車をまわしていた。 大ウケ!


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MAR 7, 2003 (Fri)

じゃんが郎だけが使っていたごきげんテレビ。
他の誰かに使ってもらおうと思っていたけどやめた。
これはじゃんが郎だけのものにしておこう。

ティッシュ箱の巣箱と同じく、遺骨と一緒に飾っておいた。



2002年6月25日のじゃんが郎 2002年10月27日のじゃんが郎
とにかくごきげんテレビが大好きだったじゃんが郎。
飼い主の思惑通り、いろんな姿でテレビに映ってくれた。

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MAR 6, 2003 (Thu)

じゃんが郎が生前使っていたお道具は、彼が息を引きとってからすぐにお家ごと撤去して、そのままキッチンの隅っこに積み重ねてあった。
今日になってやっと、それをひとつひとつ丁寧に洗った。



まわし車、ごきげんテレビ、ちいさい頃からずーっと使っていたビン、お風呂用のビン、踏み台用の灰皿、お水ボトル、お薬を飲む時に使っていたミニスプーン。
こんな小さなビンの中が彼の世界だったんだなぁ、なんて、ビンの口を覗き込んだりした。
もう以前のようにどばどば涙が流れてくることはないけれど、彼のことを想うとお腹のまん中がきゅーんと熱くなった。
音楽はまだ聴く気になれない。
今聴いた音楽は、これからいつ聴いてもじゃんが郎が死んだときのことを思い出すようになってしまいそうだから。
本やテレビは少しずつ見るようになってきた。
でも気づくと上の空で、じゃんが郎がちいさかった頃の記憶を呼び覚まそうとしていたりする。

彼がちいさい頃どんな感じだったか、記憶はずいぶん薄れてしまった。
だからたびたび昔のアルバムをじーっと見て、3年前の自分に戻ろうとしている。
やんちゃで元気な彼の姿。
こんなにたくさん写真があるのに、もっともっといろんな姿が見たくなる。



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MAR 5, 2003 (Wed)

実家の母が、花を持ってじゃんが郎の遺骨に会いに来てくれた。


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MAR 3, 2003 (Mon)

悲しみが寂しさに変わった。

じゃんが郎の姿がどこにもないことが、ただひたすら寂しかった。

けど、ひとつ安心した。
「もう2度と生き物は飼いたくない、飼えない。」
という気持ちにはならなかったから。

この日が来るまで、いつもいつもそのことが怖かった。
初めてのお別れを経験するのが本当に怖かった。


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MAR 2, 2003 (Sun)

ものすごい強風。
昨日の夜にいっぱいいっぱいじゃんが郎の想い出話しをして、ふっきれたような気がしていたのに、目が覚めたらまた涙が出てきてしまった。
いつまでもじゃんが郎と一緒にいたい気持ちは今日も変わらなかった。
ペット霊園からお迎えが来るまで、ずーっと彼の傍を離れなかった。

午前8時すぎ、ペット霊園の方がじゃんが郎をお迎えに来た。
彼の名前、亡くなった日、かかりつけの病院などが受付用の用紙に記入されていった。
そして、骨壷の種類をカタログから選んだ。
花柄の壺もきれいだったけど、真っ白い壷とシンプルな純白のカバーのセットを選んだ。
一番安かったけど、これが一番じゃんが郎に似合う気がした。

この日は結局どこにも出かけずに、じゃんが郎が帰るのを待っていた。

午後5時40分。 インターホンが鳴った。
じゃんが郎が帰ってきた。
骨壷のカバーには
「○○家 ハムスター、じゃんが郎 之霊、平成15年3月1日没」
と書いてあった。

じゃんが郎はこの中に・・・。
主人と一緒に骨壷の蓋を開けてみた。
わずか直径8センチ、高さ9センチほどのいちばん小さな骨壷なのに、お骨は壺の底も埋まらないくらいほんのちょっぴりだった。
ぐーっと覗き込まないとよく見えない。

ちっちゃ〜い。
でも、骨の形はしっかりと残っていた。
一番目を引いたのは頭の骨。
歯もちゃんと一緒にくっついて残っていた。
一緒に箱に入れてあげた、彼が大好きなひまわりの種やポップコーンも、灰になって一緒に入ってるんだろうなぁ、などと考えながらお骨を眺めていた。

夜になってから、みんなのお家を大掃除した。
ひたすら動き回っていると、じゃんが郎のことが時々頭を離れる。
けど、やっぱりすぐ思い出す。
何となく違和感を感じるから。
いくらお掃除しても、じゃんが郎のお家をお掃除する順番がまわってこないのが、何かを忘れているような、何となくヘンな感じだった。

そして、掃除の後にちいさなビンが1個余った。
どうしてそれが余っているのか、なかなか気付くことができなかった。
そうか、これはじゃんが郎が使っていたものなんだったっけ、と思い出した時、あぁ、やっぱり彼はもういないんだ・・・、ってしみじみ感じさせられた。

じゃんが郎の姿がなくなって初めての夜が更けていった。


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MAR 1, 2003 (Sat)

早朝。
じゃんが郎がいなくなったので、彼のためにいつも高めにしてあった電気毛布の温度を下げたり、彼が住んでいたお家を片付けたりしていた。
お家があった場所がきれいに片付いて、がらーんと広くなった。
何だか寂しすぎるので、じろのお家をそこに移動させた。

何をするにも、陶器の器にぽっこりとはまっているじゃんが郎を連れて歩いていた。 そして、そんな彼の姿を写真に撮ったりもした。

午前9時。
奇しくも、主人は会社関係の葬儀に出かけて行った。

主人は、出かける前に近所のペット霊園に電話をして火葬の段取りをとってくれた。
もしみんなが死んでしまった時どうしてあげたらいいのか、ということは今まで何度か考えたことがあるけれど、これといった結論は出ていなかった。
だけど、死んでしまった彼を目の前にしてみて、火葬にしたいという気持ちに、ごく自然になっていた。

主人がいない間は、とにかくずーっとじゃんが郎の傍を離れなかった。
離れたくなかった。
実家の母にFAXを送ったり、HPの下書きを書いたりして過ごした。
今までのじゃんが郎の写真を1枚ずつ眺めたりもしていた。
そんな時でも、いつも彼の姿が視界に入るようにした。
また、生前ちゃんと切ってあげられなかったまばらに伸びたツメを、きれいに切りそろえてあげたりもした。

夕方。 外は激しい雨。
主人が帰宅したので、じゃんが郎をあずけてお風呂に入った。
彼をひとりぼっちにさせたくない・・・。
そんな私の気持ちを、主人は分かっていてくれた。
お風呂に入って、じゃんが郎が使っていたプラスチックの衣装ケースを心を込めて丁寧に洗った。

夜は通夜らしく寿司をとって、2人でじゃんが郎の想い出を話した。
傍らのじゃんが郎は、やっぱりただ眠っているようにしか見えなかった。
「じゃんが郎」と時折声をかけながら、主人といろいろな話しをした。

彼を飼い始めた時は、とにかく何もかもが初めての連発で、3年前のことでもまだ記憶に新しい。
ひとつ思い出すごとにまたひとつと、どんどん主だったエピソードが出てきて、あーだったね、こーだったね、と話がはずんだ。
とにかくケッサクな話しばかりがどんどん飛び出した。

食後は、残った6匹のコたちに「今日はじゃんパパのお通夜なんですよ。」と声をかけてまわった。
一緒に節分の豆と手作りポップコーンをふるまった。
でも、無事に1歳を迎えたレオ、ぷち、てんてんの3匹には、とうとうお誕生日おめでとうを言ってあげられなかった。
このコたちのお誕生日を祝う気持ちには、やはりなれなかった。
今日はじゃんが郎のことだけをずーっと想っていたい・・・。

でも、それでいいよね。
みんなには、もう少し日にちが経ってからでも心を込めてお祝いをするね。
ハムスターにはお誕生日はほんの数回しかやってこなくって、とってもとっても貴重だものね。

寝る前に、じゃんが郎を陶器の器から火葬用の箱に移した。

箱に移してからも彼のことをずーっと眺めていた。
このまま朝までずーっと眺めていたかったけど、
さすがに眠くなって眠ってしまった。


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